つつじでお箸(お箸作りHow to) 
2014/05/14 Wed. 18:16 [edit]
街の木で作るお箸作り。今回は木工で作るお箸づくりのHow toを、かなり掘り下げてご紹介させて頂きたいと思います。
今回使用する材料は「つつじ」。
細く曲がっていて節や枝分かれが多いつつじの枝で、真っ直ぐであることを求められるお箸を作ろうとは普通考えないものですが(本当は向いていない)、しかしだからこそ、これをお箸にしようとする作業の中には、木を扱うにあたっての大切な考え方が現れます。
昨年、工事で関わった現場で伐られた大きなつつじ、今回はこのときとっておいた材のなかからなるべく真っ直ぐに近いものを選んで使います。節をはじめとした欠点は、部材が極端に細くなるお箸では致命的になりますので、慎重に避けなければなりません。
約半年、皮がついたまま乾燥させてありますが、伐ってみるとまだほんの少し湿っぽさが残っています。丸太のままにしておくと、ほとんどの木は芯から放射状に割れが起こるものですが、このつつじではほとんど割れは起こっておりませんでした。
まずはカンナをかけ、二面の平行が出た板にします。皮が剥かれて木肌があらわになることで更に乾燥が進みますので、この状態でまたしばらく(今回は2週間)干しておきます。すると乾燥にともない板に歪みが出ますので、これに再びカンナを掛けて平らにし、再度、穏やかな環境に置いて乾かします。
半分に割って最初はピタッと付いていたものが、乾燥と加工にともなって狂いが出てくっつかなくなっています。
木材は乾燥にともなう収縮によって、あるいはまた加工によって材が内包していた残留応力が解放されることにより、歪んだり割れたり伸びたり縮んだりするもので、どんな樹種のどんな優良材であっても、多かれ少なかれこれを避けることはできません。
これにまたカンナをかけ、真っ直ぐに直します。
乾燥が不十分であったりクセのある材料では、いきなり最後まで加工せず、加工する→しばらく置いておく(養生とかシーズニングと呼ばれます)→歪みが出る→再び加工、というサイクルをゆっくりと根気よく行うことが大切です。
この段階で両端部を切り落とし、長さを決めます。はじめから完成品の長さにしてしまわないのは、木口(木の棒や板の両端部)は乾燥にともない割れることがあるためです。
切り落とした部分は、箸置きにできるのでとっておくことにします。
お箸の形に加工して行きます。できるだけ木目が通るように、できるだけ曲がりにくく将来にわたって真っ直ぐを保つであろう木目になるように意識して削ります。そしてまた、完成よりひとまわりかふたまわり大きいところまで削っていったんストップ。
今度は乱暴に天日干し。直射日光に当てることは木にとっては大きなストレスであり、たとえ完成した製品であっても狂いや割れが出る原因になりますので、本来は推奨されることではありません。今回は、ストレスを受けて出る狂いがあるならば、あらかじめ出して下さいねという意図でこういうことをしています。
完成したお箸。
私たちが開催しているお箸作りのワークショップでは、できるだけ木目が通直で乾燥も完璧な材を用意していますので、そんなに難しいことを考えず短時間で完成まで加工して頂くことが可能です。でももし、ご自分で手に入れられた木でなにかをお作りになりたいと言う場合には、今回紹介させて頂いたようなことを参考にして頂ければと思います。
次回のワークショップは5/17日(土曜日)、お箸作りでは主に桜の木をご用意しております。詳細は下記にて。皆様のご参加をお待ちしております。
「マチモノカフェ&木工ワークショップ」
今回使用する材料は「つつじ」。
細く曲がっていて節や枝分かれが多いつつじの枝で、真っ直ぐであることを求められるお箸を作ろうとは普通考えないものですが(本当は向いていない)、しかしだからこそ、これをお箸にしようとする作業の中には、木を扱うにあたっての大切な考え方が現れます。
昨年、工事で関わった現場で伐られた大きなつつじ、今回はこのときとっておいた材のなかからなるべく真っ直ぐに近いものを選んで使います。節をはじめとした欠点は、部材が極端に細くなるお箸では致命的になりますので、慎重に避けなければなりません。
約半年、皮がついたまま乾燥させてありますが、伐ってみるとまだほんの少し湿っぽさが残っています。丸太のままにしておくと、ほとんどの木は芯から放射状に割れが起こるものですが、このつつじではほとんど割れは起こっておりませんでした。
まずはカンナをかけ、二面の平行が出た板にします。皮が剥かれて木肌があらわになることで更に乾燥が進みますので、この状態でまたしばらく(今回は2週間)干しておきます。すると乾燥にともない板に歪みが出ますので、これに再びカンナを掛けて平らにし、再度、穏やかな環境に置いて乾かします。
半分に割って最初はピタッと付いていたものが、乾燥と加工にともなって狂いが出てくっつかなくなっています。
木材は乾燥にともなう収縮によって、あるいはまた加工によって材が内包していた残留応力が解放されることにより、歪んだり割れたり伸びたり縮んだりするもので、どんな樹種のどんな優良材であっても、多かれ少なかれこれを避けることはできません。
これにまたカンナをかけ、真っ直ぐに直します。
乾燥が不十分であったりクセのある材料では、いきなり最後まで加工せず、加工する→しばらく置いておく(養生とかシーズニングと呼ばれます)→歪みが出る→再び加工、というサイクルをゆっくりと根気よく行うことが大切です。
この段階で両端部を切り落とし、長さを決めます。はじめから完成品の長さにしてしまわないのは、木口(木の棒や板の両端部)は乾燥にともない割れることがあるためです。
切り落とした部分は、箸置きにできるのでとっておくことにします。
お箸の形に加工して行きます。できるだけ木目が通るように、できるだけ曲がりにくく将来にわたって真っ直ぐを保つであろう木目になるように意識して削ります。そしてまた、完成よりひとまわりかふたまわり大きいところまで削っていったんストップ。
今度は乱暴に天日干し。直射日光に当てることは木にとっては大きなストレスであり、たとえ完成した製品であっても狂いや割れが出る原因になりますので、本来は推奨されることではありません。今回は、ストレスを受けて出る狂いがあるならば、あらかじめ出して下さいねという意図でこういうことをしています。
完成したお箸。
私たちが開催しているお箸作りのワークショップでは、できるだけ木目が通直で乾燥も完璧な材を用意していますので、そんなに難しいことを考えず短時間で完成まで加工して頂くことが可能です。でももし、ご自分で手に入れられた木でなにかをお作りになりたいと言う場合には、今回紹介させて頂いたようなことを参考にして頂ければと思います。
次回のワークショップは5/17日(土曜日)、お箸作りでは主に桜の木をご用意しております。詳細は下記にて。皆様のご参加をお待ちしております。
「マチモノカフェ&木工ワークショップ」
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